徒然なるままに
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働き方

“働く”と“学ぶ”を並行させる仕組み

本日の日経新聞の教育面。柳川東大教授の思い切った提案が掲載されていました。大学生は卒業を待たずに就職し、10年の間に必要な学位を修得して卒業する仕組みを導入してはというのもの。

www.nikkei.com

5月12日にUPした「終身雇用って良いと思う?」で、2013年頃に柳川教授の提案した“40歳定年制”を紹介しました。今日の日経新聞の記事も、これに劣らず大胆な提案ですが、実現可能であれば、機能不全に向かっている雇用実態への有効な解決な手立てになると思います。

以下の背景から出て来た提案で、確かにそのとおり。


・働いた経験があって、初めて大学での学問修得の大切さが分かる。だから働きながら学ぶのが良い
・日本的雇用制度は転換点にあり、学修の期間が終わってから働く期間がずっと続くという今の状態は時代に合わなくなっている。

要点を拾うと、

社会人になった卒業生と話すと「卒業してからもっとまじめに勉強しておけば良かった。」という声をよく聞く。そもそも、誰もが異口同音にそういう思いをもつということは、個々人の問題というよりは、システム上の問題があるから。

勉強する時期が適切でない。社会経験のない高校出たばかりの時期では、その学問の重要性に気が付かない。特に、経済学や法学などの社会科学系の学問は実社会の経験のない学生のうちは、リアリティが感じられず試験のための丸暗記になって、知識が血肉化しにくい。社会に出て必要性を感じる時に学んでこそ学習成果は上がる。そのために、就職してからも、必要に応じて単位の取得が出来るようにする

という発想です。

面白いですね。まさに可能なら本当によい仕組みだと思います。

「必要性を感じていない段階で、授業を受けるのは、非効率的といえる。現状では、企業側も学生側も早い就職活動に走りがちだ。就職活動をしながら、必要性を感じない科目で無理やり単位を取る位なら、いっそ入学したら、就職活動を優先して行い、すぐに就職して仕事を始めるのが、ずっと合理的ではないのか。」  

入学したら就職活動というのは、ちょっと極端かも。(大学生ならではの過ごし方もあるでしょうから。採用する企業も何を見て採用したらよいか分からないでしょう。)でも、言わんとする点は明快です。

「全員一律に早期就職をさせる必要はない。」

とも。

「企業も早く採用をする代わりにそのような学業の時間を認め、卒業を目指せることにする。」就職活動が学業の妨げになるという大学側の懸念もかなりの程度解消できる。

としています。

また、就職してからそのように勉強する時間がとれるのか、大学のうちにきちんと学業を習得してから、就職しては働くべきではないかというよくある反論に対しては、

「しかし、日本的雇用制度が大きな変革を迫られている中、そもそも高等教育と就職活動のあり方についても、大きな発想の転換が必要な時期にきている。その際、議論の前提とすべき基本的な構造変化は、学業を修める期間と労働に従事する期間とが明確に分かれ、勉強を終えてから、仕事をして定年を迎えるという基本サイクルがもはや通用しなくなっているとう点だ。」

さらに、

「現代は、技術革新のスピードが速くなり、その一方で寿命が伸び、元気で活力をもって働ける期間は延びている。したがって、誰もが、スキルの陳腐化を防ぐために、定期的にスキルアップや能力開発をする必要性が生じてきている。卒業をしたらもう学ぶ必要がない、という時代ではないのだ。一度就職してからでも、働いて何年もたった年齢であっても、必要性を感じたときに、必要な科目を習得する。そうすることによって、より能力を生かして活躍することができる。」

多様化、複線化した生き方が可能な社会とは、個々人が輝いている社会でしょう。自分の望みに応じていつでも何度でも挑戦できて、そうした経験をもつ個人が豊かさを醸成します。能力を持ちながら生かせない、組織の都合で埋もれてしまうということが無くなり、結果、その人の能力に応じた経済的な豊かさを得やすい社会になると思います。

会社員として長年勤めて中高年の域に達すると、自分が経験した業務、それもしばしばそこの会社でしか通用しないやり方しか身についておらず、多くの場合、転職は容易でなくなります。そして、結局そこの会社に居続けるより選択肢がなくなるのです。減収を避けたいと思えばなお更そうなります。忍耐と諦念を持って何とか折り合いを付けながら定年を待つことになるのです。

人生一度しかないのですから、そんなことになってはぞっとします。学び直し、長くなった寿命を精一杯生きるために、社会の仕組みを大胆に変革する必要を感じているのは、当の会社員達です。ぜひ政府内でも活発に議論をしていただきたい!

会社員一人ひとりも、自ら行動していく人は増えていくでしょう。ゲリラ的にでも行動していきたいですね!

では、また明日。