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時事

貿易不均衡の解消について

米中貿易戦争 ー トランプ大統領は、中国との貿易不均衡解消のため、強硬な関税引き上げを行い米国内に入ってくる中国からの輸入品の価格を引き上げています。対抗して中国も米国からの輸入品に関税をかけて障壁を高くしています。

経済大国同士がこうして対立し、世界経済を不安定にしているわけですが、私にはよく分からない点があります。

分からないこととは、一言で言うと、トランプ氏の戦略の有効性についてです。勝算はどれほどあるのかが見えないという事です。側近は沈黙しているのでしょうか(忠告など無理なのかもしれませんけど)。また経済学者が声を上げても良さそうですが、聞こえてきません。

①トランプ氏は自身が米国内で課した関税は、中国が払うと発言していることについて。これについては米産業界から反論が上がっています。 

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②そもそも貿易不均衡は解消すべき事象では無い。自由貿易の下で同じ競争条件のもとに置いて生じる現象でもあり、その場合富の分配を促すものです。経済原理として生じる収支の不一致は是正すべき性格のものでありません。不公正な競争条件により不均衡が生じている場合でなければ、いわば自然な現象です。

③トランプ氏は自国経済への悪影響を補助金で補償しようとしていますが、時間の経過とともに、米国にとっても不利な戦いを仕掛けていることが明らかにになるのでは。 www.nikkei.com

①は関税の負担者は明らかに米国民です。米国に入ってきた輸入品に政府が税を上乗せして吊り上がった価格で購入するのは、米国内の消費者なので、米国民が関税を払い米国政府の税収になります。高くなった中国製品を買わなくなれば、中国は以前のように輸出できなくなります。米国内では代わりの物を選択して消費することになりますが、関税が課せられる前と比べて効用(満足度)は減少します。

つまり、中国の輸出にダメージを与えることはできますが、自国へのネガティブな影響も出ます。

中国が報復として米国製品に関税をかけた結果、米国の商品は中国へ入りづらくなります。米国産農産物の輸出が減り、損害を受けた農家に補償として145億ドル(約1兆5800億円)の補助金を交付するという事です。トランプ氏の支持基盤の農家への配慮という事ですが、中国との対立が長引けば、不利益がより顕在化してくるでしょう。

トランプ氏は日本やEUに対しても同様に貿易不均衡解消に意欲を示しています。貿易赤字を勝ち負けのように捉えて、負けを少なくすれば、手柄だと信じているようにも見えます。それで成果をあげれば、次期大統領選のアピールになると思っているのでしょうか。

公平な経済活動を阻害しているものを解消しようとする試みであれば、名指しされた対象国もそれに該当する事由が考えられれば対応を検討する余地はあるでしょう。しかし、帳尻を合わせる(貿易収支を均衡させる)事を目的に人為的に操作しようとしても、混乱させるだけで、双方の国民に不利益をもたらすだけに終わるでしょう。

トランプ氏は関税の負担者を誤解しているくらいだから、正しく経済を理解していないのではと実は多くの人が思っているのでないか、と私は思うのですが、専門家であるはずの経済学者からの意見が出てきません。呆れているのか。でも現実に起こっているのですから、問題は二国間にとどまらず世界経済への悪影響が出ているのですから、声をあげるべきではと思うのです。特に米国の学者は。

トランプ氏の中国への狙いは不均衡解消よりも、中国が国策としてIT産業を優遇保護していることを止めさせ、次世代の覇権を取られないように阻止することにあるのかもしれませんが、不公正な競争をなくす目的なら、別のアプローチがあるでしょう。

中国が長期戦に持ち込んでも、トランプ氏は次期大統領選での再選に自信を見せ、強気の姿勢ですが、長期化すれば自国内でトランプ氏が想定いていなかった悪影響が広がり、無視できなくなる。それが妥結に向けての最大の力になるのでしょうか。

何だか、本当に今の時代に起きるべきことなのか、解せませんよね。

では、また明日。