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経済

今年の株式市場

昨年は後半より、世界経済の減速懸念が高まり、株式市場は年末にかけて大きく下落しました。米中の貿易摩擦の影響や、中国の成長鈍化に加え中国国内の膨張した債務残高が危機を引き起こす可能性が指摘されていました。

今年の3月には米国債市場で景気後退の予兆とされる逆イールドが起き注目を集めました。

ところが、今年に入ってからは世界の株価は上昇基調を続けています。FRBが金利引き上げを停止したこと、中国政府の発表した景気対策への期待感などから、警戒論は世界景気は年央には持ち直すというシナリオに姿を変え、株価はゆるゆると上昇をたどっています。

このシナリオどこまで確かなのか、まだ半信半疑で見守っているというのが今の市場関係者の見方でないでしょうか。

年初には世界的な投資家が史上最悪の金融危機が今後1〜2年のうちに起きると予測した本が出ました。その根拠は、リーマン危機後、各国中央銀行がマネーを過剰に供給したことにより世界の債務残高が無視できないほど積み上がっているということ、GDP比で見た債務規模はリーマン危機発生時より悪化し、危機後10年が経過した今再び大きな危機が起こってもおかしくないというものです。

確かにこのまま金融緩和を縮小せず、政府の景気対策を梃子に、経済成長を維持しようとするのは長続きはしないでしょう。債務が経済成長を上回る早さで膨らんでいけば、どこかで限界がきて逆回転が始まる。

 <昨日の米国市場>

ところで、昨日の米株式市場は、米労働省が3日発表した4月の雇用統計で失業率は3.6%と49年ぶりの低さで市場予想を大きく上回ったことで、ダウ工業株30種平均が3日ぶりに反発、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は過去最高値で終えました。

www.nikkei.com

米景気の拡大局面は戦後最長の10年間に達しそうな一方、物価は上昇せずFRBに金利引き下げを求める声が上がるという、しっくりこない感じが付きまといます。

<長期保有の投資家にとって>

 株式市場は絶えず変動(ノイズ)があり、実際の企業価値を反映しているわけではありません。金利が引き上げられたり悲観的な景気指標が発表されると、市場全体がリスクオフに動いて、保有する会社が有望であっても株価が下落する場合があります。そんな時は一緒になって売り急がず、心中穏やかでありませんが様子を見た方が良い場合が多いです。昨日UPした記事に書いたようにしっかりした銘柄を選択していれば、ほとぼりが冷めれば見直され反発して来ます。

資産価値が下がっていくのを見ても受け止めていられるのは、良く自分の目で観察し自分の頭で考えた投資先であればこそ。その会社に帰属する原因でなく、市場全体のセンチメントに飲み込まれているだけと冷静に見抜けば、逆に追加投資の好機到来と捉えることができます。

こうして少々の市場の撹乱に対しては、心のざわつきを小さく保つことができます。不可避である市場の変動に振り回されないためにも、長期の視点で投資することは重要です。

ただし、経済危機レベルの事象が起きると市場全体が嵐に巻き込まれたように株価が急落し、マクロ的に景気が悪化、沈滞し消費マインドが回復せず、有望な銘柄であってもダメージを免れないことが起きます。

しばしば経済危機は株式市場が長らく一本調子で上昇して行った先に起こります。バブルの崩壊然り。一方向に良い状態が続いている間に、その舞台裏で反転する力を持った状況が蓄積されていることに多くの人が気づかない、そしてある時、表と裏のバランスが崩壊する。

株式運用で自分の思惑通りうまく行って大きく利益が出た時は、一旦売却して休むのが大事というのが私のこれまでの痛い経験から得た教訓です。人は過去の成功を見て、さらにこのまま続いていくとバラ色のシナリオを描いてしまいがちです。「待つも相場」という相場格言があります。

長期投資の考え方は昨日お話しした通り骨太のもので、基本はBuy&Holdで(ほったらかしで)良いと思いますが、危機に対してはポジションを持ったまま遭遇しないようにしなくてはなりません。

年初から上昇をたどる今年の株式市場ですが、どこかで崖を落ちるような反転があるかもと私は注視しています。現在なし崩し的に楽観的なシナリオにすり変わって行く変わり目にあるように見え、皆がそれに乗っかって大丈夫と思い始めると怖い。皆で危ない橋を渡り始めるとき危機が到来するのは歴史が教えるところです。

では、また明日。