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働き方

年寄りより若手へー年功賃金体系の崩壊の先にあるもの

 若手の採用のため初任給を引き上げる企業が増えている、という日経新聞の記事です。

 www.nikkei.com

人手不足やAI人材確保のため、企業が若手の処遇改善に走り、しわ寄せで中高年の賃金が抑制されています。

企業経営のためには、必要な人材確保に力を入れることの方が、中高年の処遇を維持するより重要ということです。企業の賃金パイ全体が増えていかない時代には、どこかを増やせば、別のどこかを削らざるを得ません。日本の会社はまだ年功色の強い賃金体系を残しているところが多いですから、中高年は平均的に給与水準とくらべ働きはそれほどでもないので仕方ないです。(ただ、今の中高年社員が若年だった頃は、将来年次が上がるにつれて割増しになるといいう暗黙の約束の下に、働きよりも低い給与を受け取っていたわけですが。)

厚労省の賃金統計表をもとにした分析では、1000人以上の企業で働く40~44歳の男性の平均年収は、08年の797万円から18年は726万円に減少。45~49歳も50万円ほど下がった。一方で18年の25~29歳は08年より17万円、20~24歳も15万円増えている。

記事には、「年功序列を前提とした賃金制度を崩し始めている」とありますが、これは今に始まったことでないことは周知の事実です。崩壊をさらに進めるものです。グラフでは年次ともに右肩上がりではありますが、これは年齢別の平均給与であって、年次が高くなるほど同じ年次の間でも収入の格差は広がります。年次によって上がる部分の給与というのは殆どなくなっているのでは、というのが実感です。

つまり、長く勤めたからといって所得が増えることは、今後ますます無いということです。企業は通年採用を開始し、能力の高い学生を確保しようとしています。AIやデータサイエンティストなど企業の競争力の源泉となる人材は、争奪戦になっており、処遇引き上げで獲得に行かざるを得ません。

日本企業は必要な人材は、これまで社内教育で育成するというやり方でしたが、これでは、技術の進歩が早く、産業構造まで変革していく時代には、とても対応できません。社員は就社した後は社内の人間関係や部署間の力関係などに気を遣い、会社内でうまくやって行くことが重要となり、内向き志向になります。敢えてその枠を踏み越えて、何か習得しようというエネルギーや時間も作らなくなっていきます。

終身雇用でもなく、長く勤めても賃金が上がるとは限らないー大手企業に就職したから安泰とは決して、決して言えない時代になってきたと言えます。一定の安定は得られるでしょうが、満足のいく会社員生活を送ろうとするなら、自身のキャリアをどう描くか自分で答えを見つけて、日々努力するなり、日頃から会社の外にも目を向けて自分をより生かすチャンスを見つける、といったことが当たり前になります。

昨日UPした「みずほフィナンシャルグループ 副業・兼業解禁へ」に紹介した経営トップの発言はまさに、社員はそうあるべきと淡々としています。

みずほフィナンシャルグループ 副業・兼職解禁へ 副業解禁の動きがにわかに活発化してきました。みずほフィナンシャルグループの坂井社長が今年度から副業・兼業を解禁する考えを発表しました。...

自分の力を会社に預けないこと、自分の人生を他人に預けないこと、自分の人生のハンドルは自分が握ることです。自分の力で発信し稼いでいく、そうした試みをしていくことが重要になります。副業も広く容認されるでしょうから、インターネットを使った副収入を得る取り組みは広まるでしょう。

10年先の社会がどうなっているか分かりません。その時その時で自分の可能性を試すために色んなことを思いつき挑戦しながら、ライフステージを創って行く、そういう人生の歩き方になります。


歩いていく道の途中でさまざまな人と交点が出来て、世界が広がっていくと思います。共時性に導かれる人生が増えていくと思います。

全く個人的な予想ですが、遠くない将来、AIによってもたらされた急激な生産性の向上により、人間はこれまでのように長時間働かなくてもよくなる社会が来るでしょう。AIによって必要な財・サービスの供給はかなり自動化される結果、ベーシックインカム制度が実現し、何かに挑戦して失敗したとしても、経済的に破滅することなく、最低限の生活は守られる。

色んなことに挑戦し、経験を積んで能力を伸ばした人には、心の面でもお金の面でも豊かになる時代がくるように思います。それは今よりも、ずっと多様性のある、誰にとっても公平な社会です。恐れから何か有利な(とされている)ものを求めて競争するという行動を取る人はいなくなっています。

私たちは、年齢に関わらず、興味のあることに情熱を注ぐ、人生を楽しむということが今より容易な社会へ移行しているのだと思います。

年功序列の賃金体系は消滅へ向かっていますが、これを中高年は割を食っているとか、不公平感を是正すべきとか、既存の体制に浸かった物言いをするより、先を見て新しいメンタリティで行動していくべきと了解している人達も少なくないと思います。

マスメディアは大衆を意識した言い方をするのでしょうが、集団意識から抜け出す人が増えてくればマスコミのあり方も変わってくるかも知れませんね。

今日はこの辺で、また明日。