徒然なるままに
My Natural Garden & Cafe
働き方

シニアの雇用改革が好きなことして生きて行く社会に繋がる

シニア雇用に対する企業の意識変化 - 60歳以降を戦力に
現在、改正高年齢者雇用安定法により、企業は、希望者全員に対し65歳まで雇用することが義務付けられています。

① 定年の引上げ、②継続雇用制度、③定年の定めの廃止 のいずれかの措置を取らなければなりません。
2013年より施行され、多くの企業は継続雇用制度を採用しました。定年は従来どおり60歳、そこから再雇用するというもので、定年後の賃金は大半で2~6割減少するというものです。

f:id:tsure_zure:20190508193334j:plain


60歳からの年収を大幅に落とすため、一旦退職した上で新たな雇用契約を結び直すという考えでしたが、ここにきて、定年を65歳に延長する企業が増えて来ました。70歳、さらに職種を限定して定年撤廃する企業もあります。

人手不足の業界やシニア世代のスキル継承を重視する業種です。再雇用だと嘱託社員になり1年毎に契約を更新する場合が多いですが、正社員として継続雇用することで、モチベーションを維持して貢献度を保ってもらおうという意図。

コストとして捉えるのでなく、60歳以降も戦力として能力を発揮してもらおうという意識に転換する企業は、今後さらに増えていくでしょう。

シニアを無視できない
背景には、労働力人口の減少が進んでいることがあります。企業内で増えるシニア層に対し生産性をいかに維持してもらうかが、企業存続の重要施策となって立ち現れて来るでしょう。
日本の総人口に占める高齢者(65歳以上)人口の割合は2018年に28.1%と過去最高となりました。総人口12,642万人、高齢者3,557万人(男性1545万人、女性2012万人)

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/2050_keizai/pdf/001_04_00.pdf (第1回産業構造審議会2050経済社会構造部会 スライドp3)


今日の日経新聞によると、正社員としての雇用形態だけでなく、報酬面でも成果に応じて報いてシニアの生産性を引き出そうとする企業も現れて来ました。

定年延長の場合でも、60歳後は賃金大幅ダウンという方向から、反転、報酬を増やし積極的にシニアに活躍してもらおうという踏み込んだ施策です。

システム開発大手のSCSKが18年7月に設けた「シニア正社員」制度は、実績によって報酬に大きく差をつける。これは定年の60歳を過ぎてから65歳に達するまでの雇用制度で、毎月の基本給に加えて賞与や専門能力に応じた手当などを支給する。
会社への貢献度をもとに4段階で評価し、賞与は最も低いランクではゼロだが、ひとつ上になるごとに年間約100万~150万円加算される。成果をあげることで年500万円近い報酬を上乗せできるわけだ。専門性にもとづく年1回の手当も最大30万~40万円になる。

オリックスは、本当に自分のやりたい仕事に移って存分に力を発揮してもらう制度を設けた。18年6月、45歳以上で部長クラス以下の社員を対象に、希望する部署と直接面談して異動できるフリーエージェント(FA)制度をつくった。

シニア雇用改革への企業の模索はこれから

シニアに対し報酬をインセンティブに成果を引き出すというのは、方向としてはよいですが、私は期待するほどうまくいかないと思います。

若年層に対してならともかく、シニアは経験を積み人生を俯瞰する目を持っています。長年勤めて会社を知悉しているシニア、年齢を重ね怖いものが無くなってきているシニア。そうしたシニアがお金に釣られて頑張るでしょうか。その仕事が自分の好きな仕事であれば意欲を持って取り組むでしょう。しかしそうでなければ、無理のない範囲で、となると思います。

従って、企業は、上のオリックスのような制度を真剣に考えるようになると思います。増大するシニア層をお荷物として抱え続けていくくらいななら、既存の枠組みを取っ払って、やりたいことをやってもらうよう、柔軟な仕組みに変えて行くでしょう。

 そして、こうした試みはシニア層だけを対象にしたものでなく全社的な雇用改革に波及していきます。

  シニア雇用改革は全社的な賃金体系の見直しへ

なぜなら、シニアにやりがいを持って働いてもらうためには、成果に相応の報酬を用意する必要があり、総人件費を膨張させないために、若年層の賃金抑制を含めた全社的な報酬体系の見直しを考えざるを得ないからです。

社員の納得感が得えられるためには、抜本的な見直しが必要で、職務や成果で賃金を決める透明度の高い仕組みの導入を進めることになります。

年功でなく成果によって報酬が支払われるようになると、好きで続けていけることをやって行こうという人が増えます。新卒の通年採用と相まって、社員のキャリアは複線化し、どこかに到達するために仕事をするのでなく、それそのもののために仕事をする。好きだからする、遊び心を持った、軽やかなものに変わっていくでしょう。

人それぞれの持つ能力が無駄に消耗されず、互いに尊重して社会を形成する力に変わっていきます。

こうして好きなことをして生きていく社会に近づいていくと私は予測しています。

では、また明日。