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こころ

モモ-時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語

4日前のUP「長生きするのは面倒臭い?」 で時間の束縛から離れて、時間を超える生き方について触れました。

長く生きるのは面倒くさい?  時間の束縛 人生100年時代、長生きの時代になりました。健康でいて生活に必要なお金の心配がなければ、嬉しいことです。楽しいことを...

書き終わって思い出したのが、ミヒャエル・エンデの名作「モモ」です(1974年ドイツ児童文学賞を受賞)。大学生の時に読んで強い衝撃を受けた思い出の本です。 

モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)

モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)

  • 作者:ミヒャエル・エンデ,Michael Ende,大島かおり
  • 出版社/メーカー:岩波書店
  • 発売日:1976/09/24

今は文庫本でも出ていますが、当時は単行本で読みました。しっかりとした重さがあって、挿し絵も大きくて好きです。話の世界に引き込まれて夢中になって、読み終わったときに、熱に浮かされたような興奮が身体に残っていたのを覚えています。

モモ (岩波少年文庫(127))

モモ (岩波少年文庫(127))

  • 作者:ミヒャエル・エンデ,大島かおり
  • 出版社/メーカー:岩波書店
  • 発売日:2005/06/16
  • メディア:新書

有名な物語で、 大人にも訴える、大人だからその深い意味が分かる物語で、ご存知の方も多いでしょう。主人公の少女モモは、人間の時間を奪って生きる灰色の男たちから時間を取り戻すため、亀と一緒に勇敢に立ち向かって行きます。ハラハラドキドキの展開です。

モモは、まさに”今ここ”に生きている存在です。時間を盗まれるとは、今ここに心が無いということ。無機質な時間の流れに押し流されていくことです。

先日の記事で「虚構の世界を抜け出し、本来の時間の無い世界」と書いたのは、モモの物語では、時間を司るマイスター・ホラという銀髪の老人がモモに見せた「時間の国」ー 時間が生まれる源の世界のこと。

そこでは、時間が美しい花として絶えず咲いては散ってゆき、数え切れない音がハーモニーを作り出しています。あとからそこは、モモの心の中であることを告げられ、モモは時間とは何かについて悟ります。

ホラはモモに語ります。「この時間の花は、1人1人の中にあり、生きている限り生み出され続ける。しかし、こんなに輝いていて、こんなに貴重なものに思えるのに、同じ花は二度と咲かない。」

私たちは皆持っている時間があり、それには限りがあります。普段はあまり意識しませんが、いつか必ず終わりを迎えます。今この瞬間にも時間の花は生み出され散っていっているのだと思うと、与えられた貴重な時間の花を愛おしみたい気持ちになります。

時間の花の美しさを心に感じ取り、ひとつひとつの花を大切に育て、別れ、また生まれてくる花を育て、別れ…を繰り返していくことの大切さ。お金や地位を得る成功とは別の、もっと大事なことがあることをファンタジーの世界を通して突き付けられます。

読んでいない方がいらしたら、是非お勧めします。いつの時代にも通じる普遍的メッセージを児童文学を通して伝えてくれるエンデの作品です。この本に出会えたことに感謝します。

では、また明日。