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時事

”2千万円不足”で政府は釈明 ー a storm in a teacup

5月30日のUPで取り上げた『高齢社会における資産形成・管理』 と題する金融庁の報告書に対し、マスコミや野党から批判が出ていることを受け、麻生金融担当相が「表現が不適切」と釈明しました。

金融審議会市場WG「高齢社会における資産形成・管理」 先週22日に金融庁の金融審議会『市場ワーキング・グループ』が取りまとめた「『高齢社会における資産形成・管理』報告書(案)」が話題になっ...

批判の的になったのは、報告書の中の「夫65歳以上、妻50歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円で、まだ20ー30年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で1,300万円ー2,000万円になる」という箇所です。

野党からの批判は、公的年金への不安を煽る、2004年の年金制度改革時には100年安心と謳っていたはずだ、などというもの。

麻生大臣は「赤字になるような表現をしたというのは不適切だったと思う。そうじゃない方もいっぱいいる。意味が取り違えられるような書き方になっていることは不適切だったのではないか」と釈明、同時に「公的年金は老後の生活設計の柱。持続可能な制度を作っている」と不安払拭の言葉を述べました。菅官房長官も記者会見で同様のコメントをして沈静化を図りました。

www.nikkei.com

実際は、年金支給時までに蓄えた貯蓄があるので、”不足”という表現は良くなかったということです。

総務省の家計調査報告(2018年度)によれば、世帯主の年齢が60歳から69歳の世代の平均貯蓄額は2,327万円、負債額は207万円で、差し引きで2,000万円の貯蓄は確保されています。

世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況(PDF:353KB)(総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)

野党は何かと敵失を見つけないといけない立場なので、うるさく言ってもらうのが良いですし、マスコミも同様です。結果として、国民の注目が集まって資産形成への意識が高まって良いことだと思います。与党と野党とも双方とも実情は踏まえた上で、ちょっとしたお芝居してる感じがしなくもないです。国民に広く意識を高めてもうらための寸劇です。

不安を煽るとか、政府は約束違反だとかいう点はさておき、私が、今回の報告でより重要だと思うのは、政府が年金以外にどの位の額の準備が必要か目安を示したほかに、準備のための方法や人生のフェーズごとの考え方にまで具体的に示した点です。

それだけ正面から各世帯が取り組まないといけない課題である、という強い認識のもとに執筆されたと思います。踏み込んで書くことで、相応の反発が一部には出ることを予想の上で、警鐘を鳴らす意図が感じられます。

長寿化による社会の高齢化は世界で進んでいます。日本はその先頭に立って高齢化による課題に取り組んでいます。

高齢になると身体が衰えて誰もがいずれ働けなくなります。しかし、生きていく上でお金との付き合いは必要で、高齢者になっても誰もが安心して金融サービスの恩恵を受け続けられるように「金融包摂」という考えが出てきているとの由。

現役世代のうちに幾らどうやって貯めるかという点を超えて、その先に関心が及んでいるのです。超高齢化社会に向けて進む日本、新しいことにこれから色々取り組んでいくことになります。それに比べたら、今回の報告書の件ごとき、騒ぐほどのことではないですね。

古い意識は手放して真っさらな自然体でいる事が、問題をよく見ることに繋がると思います。

では、また明日。