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時事

家計の黒字率上昇が意味するもの

家計の黒字率が2018年度に30%を超えたという記事です。(今日の日経新聞)

収入から税金や社会保険料が引かれた後の自由になるお金が可処分所得ですが、可処分所得から消費して使った残りの分が貯蓄に回ります。

   可処分所得ー消費=貯蓄 

で、消費が可処分所得の範囲に収まっていれば黒字(反対なら赤字)で、黒字の額とは貯蓄の額になります。黒字率とは可処分所得に占める貯蓄の割合のことで、

   黒字率=貯蓄/可処分所得 

です。 

この割合が2013年頃から上昇を続け、2000年以降で初めて30%を超過したという内容です。

昨年度に比べて収入は実質0.5%増えたにも関わらず、黒字率は昨年度の27.9%から30.8%へ大幅に上昇しています。

この黒字率は、家計黒字率と言って、2人以上の勤労者世帯についての数値です。昨年比の収入増は、働く女性が増えて家計収入を押し上げていることを反映する一方、黒字率の上昇は、不要不急の消費を控えてお金をためていることを示しています。

自由に使えるお金が増えても、消費より貯蓄しているということです。

記事にある通り、

『高齢者や配偶者の就労が増えているのは、消費より将来に備える目的が大きい』   『年金や医療などで将来への懸念が強まり、収入増が消費に結びついていない』  『(年金)給付が減るとの懸念があり、家計で防衛意識が働きやすい』

のでしょう。

これでは、せっかくアベノミクスが描くシナリオが腰折れになってしまいます。安倍首相は賃上げを要請し、消費を伸ばして、物価上昇(インフレ率2%)に繋げて経済が拡大する方向に車輪を回していこうとしていますが、使えるお金が増えても将来の心配が強くて使われないと、その流れが止まってしまいます。日銀は経済がそのシナリオに乗るまで低金利を維持する長期戦を敷いていますが、これでは出口はいつまでも見えてきません。

この問題の基底にあるのは少子高齢化

少子高齢化で年金財政が厳しいのは国民は承知してます。多くの高齢者を少ない労働人口(若年者)で支えるとなると支える側の1人当たりの負担は大きくなります。政府は、なるべく多くの人に働いて社会保険料・税金を収めてもらう、女性はもちろん高齢者も元気で働ける人は働いて支える側に回って欲しい。

しかし、”一億総活躍社会”を掲げ働き方改革を進めるのも、貯蓄から投資へ旗を振るのも、「国民の皆さん、国はもう面倒みきれません。経済的に自立して、自分でやりくりしていって下さい。」ということ、と分かっています。だから、働いて稼いでも消費せずに貯蓄します。

少子高齢化の流れは、簡単に変更できません。国民に将来に対し安心してもらうために政府は空手形を切るわけにはいかない、となると、政府にできることは、国民が自ら十分な経済基盤を作って備えられるように、あらゆる環境整備をすることです。そうして、安心を得た上で消費行動がとれるようにすることです。

自由な経済活動を認めること

2018年1月の副業禁止から解禁への転換は、これに沿うものです。現状、副業を容認または推奨している企業の割合は3割ですが。(2018年10月リクルートキャリアの実施した企業意識調査)

これに留まらず、政治家、官僚はもっと大きく考えて、既存の枠組みの内の部分修正を超えて欲しいです。枠組み自体の変革を考えて欲しいな。

一度大学を卒業して企業に就職し社内で異動を繰り返していくと、自分の望む仕事について定着できれば幸運ですが、そうでない場合が圧倒的に多く、大して好きでもないことを生活のために、前任者のやり方を踏襲して無難に済ますという働き方になります。そうして能力を充分に使うこともなく、日々が過ぎているサラリーマンの多いこと!

日本の大企業はそういう熱意なく従事している(能力的には低くない)人をたくさん抱えています。社外で通用する専門性も身に付かず、関心事は専ら社内のポジションだけになって、定年までいるかと諦念している人たち。彼らの潜在能力を解放するような施策ってないでしょうか(もしくは今後彼らのような人を作らないような施策)。1つの会社で何十年もやっていくなんて、もう非現実的になっているのですから。

IT人材が日本は圧倒的に不足しています。時代の変化に応じて必要な領域に、能力開発するにふさわしい人が流入していけない状況。国力の損失でない?

これについては、思いついたらまたUPします。

今日はこの辺で、ではまた明日。