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時事

経済危機は再来するのか

世界的に債務残高が膨張している話は5月22日のUPで紹介しましたが、本日の日経新聞にチャート入りで米国企業の債務が過熱している状況が掲載されていました。

r.nikkei.com

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上の大きなグラフは IMF(国際通貨基金)が米国企業の資金調達や投資家行動など18の指標を合成して1つに指標化したもの。

ITバブルとリーマンショックの水準を超えて過熱しているのですが、前者2つと現在の状況が異なるのは、現在の状況が”静かな”ことです。

ITバブルもリーマンショック前も、明らかにこんな状況は続かない異常さというのが広く認識されていました。

誰もが危険だけと分かっていたけど、経済は上昇し儲けが出るから降りるわけにいかないという空気があって、どんどん過熱していって臨界点に達して崩壊するというパターンを辿りました。

しかし、今の状況は”債務のかつてない程の膨張”以外に、異常さが見当たらないのです。債務が膨らみすぎれば、経営の安定度は危うくなります。信用度の低い企業まで借り入れを増やしていると、状況が変わって金利が上昇すると倒産するところも出てきます。

低金利を長く維持してきたことの結果、債務の膨張が進んだわけですが、借り入れた資金の使い道で適正な利潤が上がらなくなり、債務返済不能となるところが何らかの事象をきっかけに急増すると、信用不安の連鎖が発生しこれまでのサイクルが急激に逆回りし始める。信用収縮と倒産の多発、景気後退と進むのが、一般的な経済危機の道筋です。

グラフ下段の一番右にCLO(ローン担保証券)の発行残が上昇している様子がありますが、リーマンショックのような証券化商品を担保にして更に証券化商品を組成するというような複雑なことは無くなっているので、一気に信用不安が広がるようなことは無いように思えます。

何かを引き金に突発的に危機に陥るような状況では無いと思われますが、過去のひどい経済危機と同水準まで債務が増加している状況は、危うさを孕んでいるのは間違い無いでしょう。

FRB(米連邦準備理事会)は金利引き下げに方向転換し、さらに債務膨張の傾向は静かに進行する可能性があります。景気下支えと危うさが背中合わせに進むことになります。米国の金利下げの転換で、新興国も連動して低金利が維持されていくので、世界的な傾向を帯びます。

低金利による安易な借り入れが増加し、金利が上昇する可能性が顧みられないと非効率な投資行動が温存されます。この傾向が持続可能でないことは明らか。

大きな破綻で収束へ向かうのか、徐々に修正されて行くのか、わかりません。これまでになかった金融緩和策がもたらした副作用が静かに立ち現れている。それにどう対処して良いか、誰も推し量りかねているという状況です。

資産運用する者にとって、注視すべき状況です。

それでは、また。