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経済

最近の株式市場の動き 危うい上昇

前週7日の金曜、米国の雇用統計発表を受け、米国の株式相場は上昇しました、ダウ工業30種平均はの263ドル高(1.02%)の2万5983ドルで引けました。

雇用統計の結果が予想以上に悪く、FRBによる金利引き下げの見込みが高まったとして、市場が反応したためです。

週明けの本日、日本の株式市場も米国の流れを引き継ぎ、日経平均は200円近く上昇しています。

世界の株式市場は、米中貿易戦争の悪化で、5月は下落基調を強めていましたが、6月に入ってから反発、上昇しています。

私は、5月末にしばらくは下げ続けると思い、手持ちの株式のかなりの部分を現金化したところでした。このまま上昇していくのか、考えるべき点を整理したいと思います。

 まず、今月に入ってからの上昇のきっかけは、

①6月4日、FRB(米国連邦準備理事会)のパウエル議長がシカゴでの講演で、「(米中貿易交渉などが)アメリカ経済の成長に及ぼす影響を注視し、強い雇用の維持と2%の物価上昇目標に向けて適切な行動をとる」と発言したことが、将来利下げを行なうと市場関係者に解釈されたこと。


②同日、中国商務省の報道官が「貿易摩擦は対話によって解決すべきだ」との声明を出したことが、米中間の協議が進展するとの期待を呼んだこと。


③トランプ大統領がメキシコに対し、不法移民への対応が不十分として全輸入品に追加関税を発動すると5月30日に表明していたが、6月7日になってメキシコが必要な措置を取ることで合意したとして、関税発動を無期限に延長すると発表したこと。

米国のダウは4日に512ドル上昇し、先週1週間では1,168ドルの上昇です。 金利が引き下げられれば、株式市場に資金が流れ込むので、それを見越して株が買われているのですが、金利引き下げの理由は、経済の先行きへの懸念です。

米中貿易問題は、対立長期化の様相が強まり、経済への悪化が避けられないという見通しですし、雇用統計の結果も、景気動向を反映すると言われる非農業部門の就業者数が市場予想の半分以下(予想18万人に対し7万5千人)にとどまり、景気減速の懸念が強まっているというもの。

しかし、金利を引き下げさえすれば、こうした状況が解決するわけでありません。金融政策はあくまで経済を下支えする補助の役割ですから、本来の実態経済が悪ければ企業の業績は伸びず、株価に反映されることになります。

 中国経済の減速は昨年より指摘されてきたことですし、日本も不安感があります。内閣府の発表する景気動向指数から機械的に決まる基調判断は4、5月とも「悪化」です。

これにこれまで堅調とされてきたのが米国で、昨年まではFRBは金利引き上げの姿勢を維持していましたが、ここにきて景気後退へと反転していくなら、明るい材料が見つかりません。

金融政策が頼みの経済運営は、これまで長くやってきて、これ以上頼ると累積された弊害の方が大きくなるのではと思います。

今月に入ってからの株式相場の上昇は、金利引き下げ期待による”一時的な浮揚”という感じがします。長続きせず、どこかで(数週間か数ヶ月先)で大きく崩れることも有りうる気がします。そして低迷状態から長く抜け出せない、というシナリオも非現実的とは言えないのが今の状況ではないでしょうか。

しばらくは、慌てて買い戻すことはせず、今のポジションで様子を見たいと思います。

では、また明日。